2023年8月31日 / 最終更新日: 2023年8月31日
※この記事は、2023年8月に更新されました。
様々なメーカーが製造しているエコキュート。「どれを選んでも同じでしょ？」なんて言うことはありません。
各メーカー独自の機能を持ち、省エネ効果や利便性などでそれぞれ持ち味があります。
ご家庭に合ったエコキュート選びのために、それぞれの特徴を把握しておきましょう。
この記事では、当店マルタケでもメインに取り扱っている、エコキュートの大手５社の製品や機能，保証などを徹底比較いたします。
※各種機能は同じメーカーでも、機種によって搭載されるものが異なります。また、別売りキットが必要な場合もございます。
※メーカー保証対象もまた、機種によって異なる可能性がございます。
エコキュートのメーカーによる違いはどこにある？
貯湯タンクユニットが角型か、薄型か。おふろの機能はフルオートか、オートか、給湯専用か。
こういった基本的なエコキュートの選び方は、メーカー共通となります。
もちろんメーカーによってどのタイプのラインナップが多いか、どの評判や人気が高いかなどはありますが、メーカーによる大きな違いは便利機能(オプション)の違いです。
このオプションは全く付けずシンプルにする、ということもできます。
しかしながらあるとないとでは、結構便利さが違うもの。さらに、ご家庭のライフスタイルに合った機能を選択することで、便利なだけでなくより高い省エネ効果を得ることができるのです。
加えて、保証期間もメーカーによって異なります。購入時はあまり気にせずとも、実際の使用のうえで思わぬトラブルに見舞われる可能性も少なくありません。購入時には必ず確認するようにしましょう。
それでは次項より、各メーカーのエコキュートをご紹介いたします。
三菱電機のエコキュート
国内では、パナソニックとともにエコキュートのシェア半分以上を占める三菱電機。
家電から産業用，人工衛星までと非常に幅広い電気機械分野にノウハウがあり、それを活かしたエコキュートは高い機能性や省エネ効果に定評があります。
シリーズは大きく分けて三つとなります。
三菱電機が「エコキュートの最高峰」と自負するP(プレミアム)シリーズ。充実した機能性が自慢のS(スペシャル)シリーズ。オートや給湯専用などシンプル機能がメインで、低価格帯のAシリーズです。
また、貯湯タンクユニットは「角型」か「薄型」か分かれ、角型が多くのメーカーで主流となりますが、三菱電機は薄型タイプの製品も豊富。業界内で最も薄型のタンクを開発したのも同社です。
三菱電機ならではの代表的な便利機能は以下の通りです。
※機種によって搭載する機能は異なります。
1.ハイパワー給湯
従来のエコキュートはシャワーや蛇口からの水圧が弱い、といった悩みがありました。
貯湯タンクからお湯をくみ上げるスタイルは、水道直圧式に比べるとどうしても水圧が弱くなってしまうためです。
そこで三菱電機では、給湯時に独自構造による圧力スタイルを採用し、ハイパワー給湯を実現しました。
様々なシャワーヘッドにも対応可能です。
※シャワーヘッドの種類によって流量は変化します。
※3階の湯はりには非対応。
2.ホットあわー
マイクロバブルとは、微細な泡のことです。
近年洗浄効果のみならず、美容や健康面で高い注目を集めており、浴槽内やシャワーヘッドに取り付けられるマイクロバブル発生装置などが登場しています。
三菱電機のホットあわー機能搭載エコキュートであれば、入浴中にボタンをワンプッシュするだけで、通常の約1/1000というさらに微細なマイクロバブル入浴を楽しむことができます。
三菱電機では、湯冷めしづらい，肌水分アップなどのメリットをアピールポイントとしています。
※ホットあわー専用別売部材が必要です。
3.バブルおそうじ
前述のマイクロバブルの力によって、おふろの配管を自動洗浄してくれる機能です。
なんと、浴槽の栓を抜くだけで機能が発動し、自動スタートしてくれます。
なかなか小まめな洗浄が難しかった配管内の汚れを落としてくれるとあって、非常に嬉しい機能ですね。
4.省エネ効果
幅広い電気機械に一家言持つ三菱電機とあって、省エネ機能も多岐にわたります。
例えば「かしこいわき上げ制御」では、設置した家庭のお湯の使い方を学習し、それに合わせたわき上げを自動で行います。
もちろん急にお湯がたくさん必要になった時でも、ワンプッシュでわき増し可能です。
また、天気予報をもとにした太陽光発電システムとの連携運転で昼間の余剰電力の有効活用が可能になった「お天気リンクEZ」は、天気予報の情報を取得し、翌日が晴れの予報なら夜間のわき上げを減らし、日中に太陽光発電の余剰電力を活用してわき上げを行います。
このように、エネルギー面で優れた効果を発揮するのは、三菱電機のエコキュートの持ち味と言えます。
5.入浴剤は使える？
2010年以降に発売された機種であれば、花王製品のバブシリーズの使用が可能です。
ただし、白濁タイプや、炭酸ガス・硫黄成分を含むものなどといった、成分による規制は存在します。
6.三菱電機の保証制度は？
2年間の無償保証が基本となり、熱交換器・コンプレッサーの部位は3年、タンクは5年間が対象となります。
また、有償で8年間または5年間の延長保証が可能です。
※小型業務用シリーズは別途規定あり
パナソニックのエコキュート
三菱電機とともに、国内エコキュートの二強となるパナソニック。
生活家電に強いことから、エコキュートも暮らしに密着させた機能を豊富に取り揃えています。
シリーズが多彩なこともパナソニックの大きな魅力でしょう。機能などによってJP，N，J，NSシリーズなどに分類されています。
省エネ効果に特に力を入れており、業界初の機能を開発した、という優れた経歴も少なくありません。
パナソニックならではの代表的な便利機能は以下の通りです。
※機種によって搭載する機能は異なります。
1.エコナビ
パナソニックのエコキュートと言えばAIエコナビ、と言えるほど有名な機能です。
家庭用のヒートポンプ機能において、業界で初めてひとセンサーを活用。
これによって、浴室にいる人間を検知し、自動的に設定温度まで加熱を開始します。
そして、浴室から出ると、従来のエコキュートに多かった自動湯温チェックをカットし、無駄なエネルギーはかかりません。
さらにすごいところが、お湯の冷め方をも学習してくれること。再び入室をすると、より素早く加熱してくれるような仕様となっております。
2.ぬくもりチャージ
通常、入浴後は栓を抜き、おふろの残り湯は捨てていると思います。
パナソニックの「ぬくもりチャージ」はこの残り湯の熱を有効活用。
タンク底部の低温水をおふろの残り湯の熱と熱交換します。ぬくもりチャージ運転により、夜間の沸き上げ量を節約する機能です。
3.リズムeシャワープラス
リズムeシャワープラスは、シャワーの温度と流量を同時に変動させる機能です。これは、通常の一定流量のシャワーに比べて、電力のみならず節水効果を見込んだものです。
さらに、変動をつけることによって肌あたりや清涼・のぼせ感にも良い影響を及ぼします。
流量リズムや温度リズムは好みのものに選ぶことが可能です(節約効果はモードによって変動)。
4.その他省エネ効果
パナソニックはエコナビを始め、省エネ効果にとことんこだわりぬいています。
例えば多様化する電気料金プランへと対応した「かんたん設定」を導入。
「電力会社設定」「夜間時間設定」など、ご家庭の料金プランに合った設定をリモコンのメニュー画面から容易に設定することが可能です。
また、エコキュートのわき上げと他の電気製品の使用が重なってしまうピーク時にも省エネ効果を発動させるため、「ピークセーブ機能」を開発。これは、ピーク時のわき上げ消費電力を抑えることを実現しました。
さらに三菱電機同様、太陽光発電の余剰電力を活用した「ソーラーチャージ機能」の開発にも成功しています。
これによって夜間のわき上げ電力を減らし、昼間の太陽光で分散させます。
※JP、J、W、FP、Fシリーズのフルオートに搭載した機能となります。
5.パナソニックの保証制度は？
製品の引き渡しから10か月以内に申し込み・契約料を支払うことで、5年・8年。10年の保証期間が設けられます。
期間はどちらか任意で選ぶことが可能です。
また、延長保証制度も設定されています。
日立のエコキュート
日立製作所のエコキュートもまた、便利機能や省エネ効果から高い人気を得ています。
前述の二社とはまた違った独自路線の機能からは、同社の開発力や技術力が伺えます。
シリーズはシンプルで、おふろの給湯タイプや機能によって分類されることが一般的。
また、高い機能ながら他社と比べるとリーズナブルという、コストパフォーマンスの高さも大きな魅力です。
日立ならではの代表的な便利機能は以下の通りです。
※機種によって搭載する機能は異なります。
1.ウレタンク
2014年に発表され、エコキュートにおける日立の地位をさらに飛躍させたのがこちらのウレタンクです。
断熱性や気密性が高いウレタンフォームを業界で初めてエコキュートに採用し、非常に高い保温性を獲得した貯湯タンクユニットを指します。
お湯が冷めづらく、同社調べでタンク湯温を90℃にわき上げた後、7℃環境下に12時間置いた時の温度低下は約-2.5℃であったと発表されました。
これは、従来のものと比べ、最大二倍の断熱性能となっております。
これによって再わき上げのエネルギー節約を実現。
日立は過去に二度、省エネルギーセンターより省エネ大賞を受賞していることからも、ウレタンクの省エネ効果の高さが伺い知れるでしょう。
ちなみに日立のウレタンクは三本脚で最高レベルの耐震クラスSと、安全性にも考慮されています。
2.パワフルシャワー
浴室と台所両方で同時にお湯を使うと、水量や水圧が極端に減ってしまった経験はありませんか？
日立の「水道直圧給湯」を利用したパワフルシャワーはその心配がありません。
通常、エコキュートはヒートポンプユニットに減圧弁を設け、貯湯タンクにお湯を送り込みます。
貯湯タンクの耐圧性には限界があるため、どうしても水道などに比べて水圧は弱くなってしまいます。
そこで日立は直圧給水配管を設置し、水道圧をそのまま利用することで高い水圧を獲得しました。
そのためシャワーがパワフルなだけでなく、同時使用にも対応する水圧となっているのです。
3.高速湯はり
「すぐにお風呂に入りたいのに、なかなかお湯がたまらない」そんな悩みに応えるために日立が開発した機能が高速湯はりです。
リモコンで「高速湯はり」を選ぶと、標準湯はりに比べて湯はり時間を短縮できます。
4.シルキー快泡浴
新開発のシルキー快泡浴用ふろ循環アダプターから微細でなめらかな泡（ファインバブル）が噴き出します。微細な泡は浮上せず水中に長く留まるため、泡が肌をやさしく包み込み、心地よく入浴を楽しめます。
※シルキー快泡浴ふろ循環アダプターを別途購入する必要があります。
5.入浴剤は使える？
日立はふろの追い炊き配管を清潔に保つため、「ステンレス・クリーン自動洗浄システム」を搭載させました。
ステンレスは腐食が汚れに強いことに加え、自動洗浄を行なってくれるため常に配管内を清潔に保ってくれます。
この機能によって、様々な入浴剤に対応することが可能となりました。
推奨品はありますが、白濁タイプなど一部を除いて幅広いタイプを使用することができます。
6.日立の保証期間は？
日立の無償保証期間は、本体が1年、冷媒回路が3年、タンクは5年となっております。
また、有償で7年または10年の延長保証が可能です。
ダイキンのエコキュート
空調設備のイメージが強いダイキン。
一方でかゆいところに手が届くような、細やかな便利機能の多い同社のエコキュートは、多様化するご家庭スタイルに合った一つを選ぶのに最適です。
シリーズは日立同様にシンプルで、おふろの給湯別にフルオート，オート，給湯専用らくタイプの三種類が主なラインナップとなります。
いずれも高い性能に定評があります。
ダイキンならではの代表的な便利機能は以下の通りです。
※機種によって搭載する機能は異なります。
1.パワフル高圧
もともと水圧の力強さがダイキンエコキュートの長所でしたが、さらにパワーアップ。
二か所で同時にシャワーとお湯を使った場合はもちろん、どうしてもユニットから遠く高圧は難しいと言われていた3階でのシャワー使用もパワフルを実現しました。
このパワフルさで湯はりの速度もアップし、入ろうと思った時、すぐにお風呂にお湯を貯めることができます。
※3階の湯はりについては、別売りの「風呂水位センサー」が必要となります。
2.温浴タイム
気分によってお風呂の温度を変えたいな、と思うことはありませんか？また、家族の好みによって快適な湯温は異なります。
例えばぬるめでゆったり半身浴派が多いけど、お父さんは熱めが好き・・・と言ったケースは少なくありません。
ダイキンの「温浴タイム」では、4つの湯温モードを選択することで、設定温度から熱くしたりぬるくしたりすることが可能です。
ちなみにこの湯温調節はたし湯やたし水をしません。
浴槽のお湯を循環することによって浴槽の湯量を変えずに温度調節をしているのです。。
3.ウルトラファインバブル入浴
微細な泡に包まれて、ポカポカあったまるウルトラファインバブル入浴にうるおいもプラスして、極上のバスタイムを楽しめます。
約0.001ミリ未満の微細な泡が浴槽内に流れ込み、美容や健康に一役買ってくれるでしょう。
別売りのウルトラファインバブルアダプターが必要ですが、簡単な施工で取り付けることができます。
4.その他便利機能
その他の便利なダイキン独自の機能と言えば、まずは「わき増し能力」が挙げられるでしょう。
急な来客で、たくさんお湯が必要な場合は、設定してから12時間継続して、タンクのお湯が減ると満タンまで沸き上げます。
昼間にお湯をたくさん使った場合は、タンクのお湯を1回だけ満タンまで沸き上げます。
いつもよりたくさんお湯を使ったときなどに、夜に備えて設定しておくと安心です。
また、「ターボ湧き上げ」と言う、わき上げ能力を調節する機能も存在します。
料金プランにもよりますが、一般的に夜間の電気料金は割安となります。
しかしながら冬場など外気温が低いとわき上げ効率が落ち、わき上げ時間が朝にさしかかってしまうことも。思わぬ光熱費高騰に繋がりかねません。
そこでターボ湧き上げによって、深夜帯にしっかりわき上げを行えるよう、効率が低下したら自動で加熱をパワーアップさせる機能が搭載されているのです。
4.入浴剤は使える？
ダイキンのエコキュートはバスクリンの全製品に対応しています。
他社のエコキュートでは使用制限されている白濁タイプもＯＫ！
また、フルオートタイプは入浴剤制限が多くなりがちですが、バスクリン社のものであれば使用が可能、とされています。
5.ダイキンの保証期間は？
無償保証期間は、本体が1年、冷媒回路が3年、タンクは5年となっております。
有償の10年間延長保証制度も設定されています。
東芝のエコキュート
最後にご紹介するのは東芝です。
東芝と言えば薄型テレビやパソコンといった家電製品が有名ですが、独自の電機機器へのノウハウをフル活用したエコキュートもまた性能の良さで人気を誇ります。
シリーズはやはりシンプルで、ベーシックなフルオートタイプか給湯専用タイプが二本柱。
しかしながらその中で多種多様の機能を設けており、ご家庭に合った一つをお選びいただけるでしょう。
東芝ならではの代表的な便利機能は以下の通りです。
※機種によって搭載する機能は異なります。
1.銀イオンの湯
お湯に銀イオンを使うことで除菌・防臭効果を発揮し、常にお湯を清潔に保てる機能です。
人が入浴するとどうしても菌が繁殖してしまいますが、銀イオンが菌自体に吸着し増殖を抑えるため、時間が経っても菌の影響をうけません。
そのため、2日目の残り湯を利用することができるので、連日のお湯はり時間や節水に効果があります。
2.パワフル給湯
東芝もまた、パワフルな水圧の開発に意欲的です。
パワフル給湯タイプの機種をお選びいただくと、同時出湯や3階でのシャワーの使用・及びお湯はりも安定した水圧を保つことができます。
※3階での使用は別売りキットが必要となります。
5.スタイリッシュな光タッチリモコン
洗練されたデザインもまた東芝の大きなアピールポイントです。
同社が「使いやすさと美しさを両立」したと自負する光タッチリモコンは、従来のリモコンに比べ薄く洗練されたデザインが特徴です。
また、プッシュボタン式ではなくタッチキーのため、指先の軽いタッチで操作。フルフラットなため拭き掃除も簡単となります。
リモコンを備え付けることに抵抗を覚える方は少なくないでしょう。インテリアにマッチしない可能性もあるためです。
しかしながら東芝のタッチリモコンであれば薄く洗練されているため、景観の邪魔をしません。
4.HEMS
HEMSとは、Home Energy Management System：ホーム・エネルギー・マネジメントシステムの略称です。
スマートフォンやタブレットなどとエコキュートを連動。外出先などからでもわき上げオンオフ設定やエネルギー管理を行うことができる機能です。
東芝ではこのHEMSを使用し、様々な家電の遠隔操作や家庭内のエネルギー管理を可能にしました。
エコキュートでも専用アダプタを取り付けることにより、HEMSと繋ぎ、さらに他の家電製品と一元管理することが可能です。
5.入浴剤は使える？
花王やアース製薬の入浴剤の使用が可能です。
ただし、白濁タイプを始め、使用制限のある入浴剤も存在します。
6.東芝の保証期間は？
もう一つ、東芝のエコキュートを語るうえで欠かせないポイントがメーカー保証です。
他社は部位によって無償保証期間をそれぞれ設けていますが、東芝では全て5年の無償保証を設定しています。
アフターサービスの充実は、それだけ自社製品の品質に自信があるということ。
実際、災害時などにも十分考慮した耐震設計構造がなされています。
なお、最長10年間の有償延長保証サービスがご利用いただけます。
まとめ
エコキュートの大手５社―三菱電機，パナソニック，日立，ダイキン，東芝―の製品及び各種機能や保証期間などを比較してご紹介いたしました。
多機能をつけると高額になる可能性もあります。
当店マルタケでは、商品代・工事費用・残材処分費・消費税全て合わせたコミコミのお値段表示となっているので、予算と突き合わせながら最適な一つを選んでくださいね。
また、実際の使用のうえでアフターサービスも重要なポイントとなります。メーカーによる保証をしっかり確認するとともに、当店でも独自保証を設けておりますので、ご不安点などはまずはお気軽にご相談ください。
