2021年8月24日
-->ヒートポンプユニットと貯湯タンクで構成されたエコキュート(自然冷媒ヒートポンプ給湯機)。夜間電力を使って効率的にお湯を沸かせるエコキュートは環境にもやさしく、2020年6月末時点で累計出荷台数は700万台を突破しました。
そんなエコキュートですが、長い間使い続けていれば寿命を迎えます。今回は平均寿命と故障時に現れる症状、また修理と交換の見極め方について説明します。
エコキュートの平均寿命
エコキュートを構成しているヒートポンプユニットと貯湯タンク、それぞれの寿命は異なります。どちらも10年前後が寿命と言われていますが、2001年に発売されたエコキュートは電気機器のなかでも比較的新しく、まだデータが揃い切っていません。今後寿命が変化する可能性もあります。
ヒートポンプユニットの寿命
ヒートポンプユニットは、熱交換器で空気中の熱を冷媒に集めてから圧縮します。圧縮された熱が水に伝わってお湯が沸く仕組みとなっているため、ヒートポンプユニットが壊れてしまうと、エコキュートは意味をなさなくなってしまうのです。
このヒートポンプユニットの寿命は5~15年と幅広く、不具合の現れ方もさまざま。お湯が思うように出なかったり、リモコンが動かなかったりするのは、ヒートポンプユニットの代表的な故障事例です。
貯湯タンクの寿命
貯湯タンクには、ヒートポンプユニットで作られたお湯を貯めて保温する役割があります。これだけ聞くとシンプルな構造の印象を受けますが、実際には給湯熱交換器や循環・吸水ポンプ、サーミスタや伝装基板など、さまざまな部品で構築されていて、故障することもあります。
それでもヒートポンプユニットよりは寿命は長く、10~15年程度は持つといわれています。お湯が出なくなったり、自動湯はりができなくなったら、貯湯タンクが寿命を迎えているかもしれません。
エコキュートの故障時にあらわれる主なサイン
エコキュートの代表的な不具合に、「お湯が出ない」「リモコンが動かなくなった」が挙げられますが、他にもさまざまな故障事例があります。なかには自分で解決できるものもあるので、「おかしいな?」と思ったときには、まず状態を確認してください。
お湯が出ない・出が悪い
エコキュートには、まったくお湯が出ないということもあれば、ポタポタとしか出ない、出たり出なかったりするなど、さまざまな故障事例があります。
このような症状が見られた場合、まずはエコキュートの湯量や温度設定を確認してみてください。水温が低すぎて、お湯が出ないだけかもしれません。また、お風呂の栓が開いたままでは、自動お湯はり機能が動いて途中で給湯を止めてしまいます。
そのほか、冬季の配管の凍結や断水によってお湯が出なくなってしまうケースがあります。この場合、時間が経てば解決しますが、それでも解消しないようであればエコキュートの故障を疑ってみましょう。
水漏れする
貯水タンクとヒートポンプユニット、それぞれから水漏れしてしまうことがあります。貯水タンクから水が漏れている場合、タンク内のお湯が温まり過ぎて容量が膨張している可能性大です。これはお湯の温度が下がれば解決します。
ヒートポンプユニットからの水漏れは、空気熱交換器と外気の温度差による結露によって発生しているかもしれません。結露水の排水が水漏れに見えているだけで、こちらも時が経てば解決されます。
いつまでも解決されない場合は、故障の可能性を疑ってみてください。また、エコキュート本体からではなく、配管から水漏れしている場合は配管が損傷しているため、水道業者に相談してみましょう。
エラー警告が表示される
エコキュートのリモコンから何度もエラー警告が表示される場合、機器が何かしらのトラブルを起こしているかもしれません。一度説明書を読んで不具合を確認し、原因を特定できないようであれば業者に連絡することをおすすめします。
エコキュートの修理・交換費用の相場と交換時期
エコキュート本体に不具合があった場合、部分的に修理をすべきか、それとも思い切ってエコキュート本体を交換すべきかで悩む人も多いでしょう。業者から見積もりを取って比較することもできますが、あらかじめ修理・交換の相場を把握しておいて損はありません。
エコキュートの部品の交換のみで済む場合、必要な修理費用は1~7万円前後です。希少な部品であれば、その分修理代がかさみます。
電子回路などの部品の交換が必要となるヒートポンプユニットの修理費用相場は約8~20万円。こちらも状態によって大きく変わってきます。
エコキュートの機器全体を交換する場合、機器代と工事費用含めて20~50万円程度かかります。最新型であればあるほど金額は高くなる傾向です。
エコキュートの状態によっては、修理よりも新しいものに交換したほうが安価で済み、長く使える可能性があります。残りの寿命を考慮したうえで、ベストな選択をしてくださいね。
なお、大手メーカーはエコキュート本体を約1~2年、ヒートポンプユニットは約3年、貯湯ポンプは約5年の保証期間を設けています。保証期間内であれば基本的には無償で修理をしてくれるため、購入時は必ず保証期間を確認し、故障時はまず販売元に問い合わせてみてください。
エコキュートを長持ちさせる秘けつ
エコキュートの寿命は5~15年と幅広く、使い方によっても大きく変わってきます。高額なエコキュートを少しでも長持ちさせられるように、扱いには十分に注意をしましょう。ここではエコキュートを長持ちさせる秘けつを紹介します。
エコキュートの周りはスッキリさせておく
エコキュートの周りが荒れていると虫が寄りついて、中に侵入することがあります。異物の侵入はエコキュートの原因になるので、こまめに掃除をしましょう。ホコリや土が舞いやすい環境は、エコキュートの大敵です。
また、大きなものが置かれていると通風の妨げになり、エコキュートに負担をかけてしまいます。周りには異物を置かないようにしましょう。
定期的なエコキュートのメンテナンスをする
浴槽アダプターの清掃を日常的に行うだけではなく、年に2~3回は大掛かりなメンテナンスを行いましょう。
逃し弁の操作窓を開けて排水と水漏れの確認をすると、異常にも気づきやすくなります。また、貯湯タンク内の水の排水や保温材の確認、給水ストレーナのお手入れまですると、スムーズに稼働します。
エコキュートに適した入浴剤を使用する
エコキュートには適していない入浴剤があり、それを使用してしまうと故障の原因になります。一度や二度の使用でエコキュートが故障することはありませんが、毎日使用していると確実に傷めることになります。入浴剤を選ぶ時には、必ずエコキュートに適したものかどうかラベルをチェックしましょう。
エコキュートの交換時期に悩んだらマルタケにご相談ください
エコキュートは高額であるため、故障したときには修理か交換かで悩む人も多いかと思います。修理代が想像以上に高くつき、「交換したら良かった」と後悔する人も。
そのようなことがないように、事前に相談できる業者に相談をして見積書を作成してもらい、どの選択がベストか尋ねてみましょう。
愛知県大府市に本社を構えるマルタケ株式会社では、各種メーカーのエコキュートを取り扱っていて、最適な方法をお客様に提案しています。エコキュートの交換を考えている方はぜひご相談ください。