2022年1月11日 / 最終更新日: 2022年6月22日
皆様はトイレの排水方法をご存知でしょうか。あまり意識したことがない、という方も多いかもしれませんね。私たちが普段使用している洋式トイレの排水方法は大きく分けて
- 床排水(トイレの床に向かって排水するタイプ)
- 壁排水(トイレの壁に向かって排水するタイプ)
の2種類があります。
便器を横からのぞいた場合、便器本体から陶器が突き出していて、配管が見えなければ床排水、陶器が突き出していて配管につながっていれば壁排水と考えられます。
普段はあまり意識することがない排水方法ですが、トイレをリフォームするときには排水方法を意識して新しい便器を選ばなければなりません。なぜなら床排水型便器は壁排水型便器に取り替えられない場合がありますし、その逆もまた然りであるためです。
今回はトイレリフォーム時に知っておきたい排水方法と排水芯の存在について紹介します。
床排水と壁排水のどちらが多い?
現在建てられている一戸建て住宅やマンションのトイレは床排水タイプが主流です。便器の下部分と床に配管を通した床排水型トイレは見た目にもすっきりしていて、床工事を行う必要がないため、今後も主流の排水方法になっていくと予想されます。ちなみに、かなり数は少なくなりましたが和式便器も床排水型です。
一方、一部のマンションや公団住宅ではまだまだ壁排水型トイレが採用されています。前述の通り、一度建てたらトイレの排水方法は変えられないため、築年数が長く、そう簡単に取り壊せない集合住宅は壁排水型トイレを使い続けているようです。
そんな壁排水型トイレのメリットは、節水効果が高いところ。便器本体の後ろ部分と壁を配管でつないで、便器の中に水が溜められているため、トイレの水を流すときにも多くの水を必要としません。
トイレリフォームで知っておきたい「排水芯」「排水高」の存在
床排水型のトイレは、便器に合わせてさまざまな位置に排水管が設置されています。トイレのリフォーム時には、壁から排水管の中心までの距離を測定し、排水管の位置を特定しなければなりません。この距離は一般的に「排水芯」と言い、TOTOでは「排水心」と呼ばれています。
一方の壁排水型のトイレには基本的に排水芯がなく、トイレの床から排水管までの幅を表す「排水高」の距離が便器を選ぶうえで重要です。
排水芯の測定方法と種類
「壁から排水管の中心までの距離」と言われても、測り方がよくわからないという方も少なくないでしょう。
その場合は、まず便器の下部についているふたつのネジを確認してみてください。便器を固定しているネジには大小の2種類がありますが、排水芯を測るときには大きなネジに注目しましょう。
便器背面の壁からこの大きなネジの中心までの距離が排水芯のサイズと言えます。
難しそうに思える排水芯の測り方ですが、実は排水芯には120、200mmかそれ以上の3択しかありません。後者のタイプを選べばサイズの変更が可能となるため大変便利です。
排水高の測定方法と種類
壁排水型トイレの場合は、床から排水管中央までの高さが排水高となります。排水高についても排水芯同様に2種類しかなく、120mmと155mmのいずれかから選ぶことになります。
新築物件の多くには120mmタイプの排水高が採用されています。155mmタイプには排水高が148~155mmの間で調整できる排水アジャスターが使用されているため、汎用性が高めです。
排水芯と排水高の確認方法
自宅のトイレの排水芯や排水高を上手く測れないという場合は、便器の品番をチェックしてそこからそれぞれの距離を確認しましょう。代表的なメーカーの便器の排水芯・排水高のサイズは以下の通りです。
各メーカーの排水芯対応表 | ||
メーカー | シリーズ名 | 排水芯(mm) |
---|---|---|
TOTO | ピュアレストQR / ピュアレストEX | 305 ~ 540 |
ネオレストAH / ネオレストRH | 305 ~ 540 , 200 , 120 | |
GG | 258 ~ 540 , 200 | |
GG-800 | 305 ~ 540 , 200 | |
LIXIL(INAX) | アメージュZフチレス / アメージュZAシャワートイレ | 200 ~ 550 |
アステオ | 200 ~ 530 | |
サティスS | 200 ~ 450 | |
サティスG | 200 | |
Panasonic | 新型アラウーノ | 285 ~ 420 , 200 |
NEWアラウーノV / アラウーノSⅡ | 305 ~ 445 , 200 |
排水高[100~120mm]対応表 | |
メーカー | シリーズ名 |
TOTO | ピュアレストQR / ピュアレストEX |
ネオレストAH / ネオレストRH | |
GG / GG-800 | |
LIXIL(INAX) | アメージュZフチレス / アメージュZAシャワートイレ |
アステオ | |
プレアス | |
サティスS | |
Panasonic | 新型アラウーノ / NEWアラウーノV / アラウーノSⅡ |
排水高[148~155mm]対応表 | |
メーカー | シリーズ名 |
TOTO | ピュアレストEX |
ネオレストAH / ネオレストRH | |
GG / GG-800 | |
LIXIL(INAX) | サティスS |
Panasonic | 新型アラウーノ |
トイレリフォームに必要なトイレの寸法
トイレをリフォームする際に気になる点と言えば、トイレ内で便器が占める割合です。基本的に狭小スペースであるトイレにあまり大きな便器を選ぶと動きにくくなります。
ある程度どのようなトイレも設置できるようにするためには、入り口から壁までの長さは1,200mm以上、入り口から便器の先までの長さは400mm以上を確保しておきたいものです。距離が短すぎるとオート洗浄やオート便ふた開閉機能付きの便座が正しく機能しないおそれがあります。また、足元のスペースが狭いと立ち上がりにくく、やはり不便さを覚えることがあるでしょう。
床排水型であっても壁排水型であっても、便器の奥行きは700~800mm程度であり、さほど大きな差はありません。しかし、壁排水型便器は排水管との接続に一定の距離を要するため、床排水型便器よりも手前に便器が出てきてしまう場合があります。
排水方式はもちろんですが、便器のサイズも入念にチェックをして自宅のトイレにぴったりな便器を選びましょう。
排水方法に関わらずリフォームに使える便器が登場!
トイレのリフォーム時には、基本的に排水方法を考慮して便器を選ばなければなりません。しかし、最近は便器も進化していて、壁排水型にも床排水型にも対応している便器が誕生しています。
たとえば、TOTOとPanasonicのタンクレストイレは、排水方式は関係なくリフォームに対応可能です。便器の後ろ側のタンクがないタンクレストイレはすっきりとコンパクトなデザインが最大の特長。トイレの面積が狭いという方はタンクレストイレにリフォームすることで一定の広さを確保できますし、元々トイレの広さに余裕がある方は手洗い場を設けるなどして、トイレをより快適な空間にすることができます。
特に現在壁排水型トイレを使用されている方は、新しいタンクレストイレを選択することで広々と使えるようになるでしょう。
複雑なトイレのリフォームもマルタケにおまかせ!
今回はトイレの排水方法を紹介しましたが、あまりなじみがなく、どのような便器を選ぶと良いのか、イマイチピンと来ないという方も多いでしょう。排水芯からの距離を測りにくいという方もいらっしゃるかもしれません。
そのような方で、トイレリフォームを考えている方はぜひ愛知県大府市に本社を構えるマルタケ株式会社にご相談ください。お客様のトイレのお悩みをお伺いしたうえで最適なリフォームプランを提案させていただきます。
弊社は便利なセットプランを打ち出しておりますので、オプションや追加工事費用を後から請求させていただくこともございません。
愛知県をはじめ、岐阜・三重・静岡県への出張工事も請け負っておりますので、まずは一度お気軽に問い合わせください。