2019年3月9日 / 最終更新日: 2022年6月22日
※この記事は、2022年6月に更新されました。
「光熱費、もっと安くならないかな?」「省エネを目指そう」そんな風に思って調べた時、まずエコキュートが候補に挙がると思います。
なぜなら、エコキュートは上手な省エネルギーの代表格。誕生から20年ほどですが、今では全国に500万台ほど普及を果たしました。
でも、エコキュートがよくわからなくて導入に踏み切れていない方は多いでしょう。
そこでこの記事では、エコキュートとはどのようなものなのか。
従来の給湯器と比べて、どのようなメリットがあるのかを解説いたします!
エコキュートとは?どんな仕組みなの?
引用:https://sumai.panasonic.jp/hp/1mech/
エコキュートとは、2001年に暖房器具メーカーのコロナによって販売された給湯機器です。
正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」と言います。
従来、家庭に多く広まっていた給湯機器は、熱源にガスを用いており、かつ、お湯を使う時にガスで温める瞬間式というタイプでした。
一方のエコキュートの熱源は大気熱であり、かつ貯湯式です。
駆動はオール電気のため、ガスは一切使いません。
エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの二つが必要となりますが、ヒートポンプにはファンが取り付けられています。
このファンが大気中の熱を取り込み、その熱を「空気熱交換器」に送り込みます。
この空気熱交換器には冷媒(れいばい)があり、この冷媒がエコキュートの大きなミソ。
冷媒とは、熱を取り込んで別の物質に伝達するものです。
冷媒はファンから取り込まれた熱を吸収、圧縮機で圧力をかけられ高温化します。この高温を持った冷媒が水に熱を伝えお湯を沸かす、という原理となっています。
この原理をヒートポンプと言います。冷蔵庫やエアコンにも使われていますね。
さらに、ヒートポンプで作り出したお湯はタンクに貯湯しておくことができます。
ここからお風呂などに送るための給湯配管が繋がっているのです。つまり、使う時に都度お湯を沸かす必要もないため、瞬間式に比べエネルギーは大幅に削減されます。
なお、冷媒はお湯を沸かした後、減圧されて低温化。再び熱交換器に戻って熱を取り込むというサイクルが繰り返されます。
冷媒には二酸化炭素が使用されているため、かつて家電でメインに冷媒として用いられていたフロンのように温暖化やオゾン層破壊などの環境リスクはほとんどありません。また、可燃性もなければ人体への影響もないと言われています。
ちなみに同じく熱源に電気を用いた電気温水器がありますが、これは貯湯タンク内に設置された電気ヒーターによって湯沸かしを行う仕組みです。
電力のみに依存しているため、大気熱を利用しているエコキュートの方が効率は高くなり、電気代が安く済みます。
エコキュートを導入するメリット
エコキュートの仕組みを知ると、大まかなメリットがわかるかもしれません。
そう、それは省エネルギー。しかも、効果絶大と言われています。
省エネルギーの他にも様々なメリットが盛りだくさん!一つずつ、解説していきます。
メリット①光熱費を節約できる
前述のように、エコキュートはガスを一切使いません。
電気とガス、どちらが安いかは契約や地域によるため一概に言えませんが、エコキュートは大気中の熱を利用しているので熱効率は非常に高くなります。
さらに、夜間にお湯を沸かし貯めておくことで、日中は湯沸かしの必要性がなく、大きく電気を使いません。
つまり、夜は家族が就寝するだけのご家庭であれば、夜間電力が安くなる電気料金プランを契約することによってさらに光熱費を抑えることが可能なのです。
オール電化を取り入れているご家庭なら、光熱費を電力に一本化することでさらにお得なプランを選択できますね。
もちろん予期せぬお湯の使用で日中に追加で湯沸かししなくてはならないこともありますが、高効率なためお得感はやはりエコキュートに軍配が上がります。
メリット②ガス漏れの心配がない
ガスは可燃性です。
万が一何らかのトラブルが発生してガス給湯器がガス漏れした場合、一酸化炭素中毒や大火事など、命の危険性が出てきます。
近年のガス給湯器の安全性能は飛躍的に伸びていますが、ガスを使っている以上どうしても、耐用年数や品質などに神経質になりがちですね。
その点電気が駆動力のエコキュートは安全性への評価が非常に高くなります。
保険会社の中にはオール電化やエコキュート導入家庭に対し優遇措置をとっているところもある、という事実からも、それは明白でしょう。
また、冷媒の二酸化炭素は不燃性ですし、人体への影響もないと言われています。
エコキュートは、家族の安全はもちろん、安心にも繋がります。
メリット③地球環境にやさしい
エコキュートを始め、ヒートポンプ式が地球環境にやさしいことは、世界各国の環境保護機関が認めるところです。
まず、冷媒が自然冷媒であること。
従来、冷媒に使用されていたフロンは地球温暖化やオゾン層破壊が危惧されていました。
このフロンに替わる冷媒として採用されたのが二酸化炭素ですが、自然界に存在するもののため地球への影響は大きく低減されることとなります。
また、エコキュートは冷媒を再圧縮し、低温化を行うことでリサイクルしています。つまり、再生可能エネルギーなのです。
エコキュートは私たちの生活を豊かにしてくれるだけでなく、私たちの子どもや孫など、次の世代がより健康に安全に生きるために必要な給湯機と言えますね。
メリット④非常時の水として活用できる
貯湯タンクに貯められた水は、断水時などに非常用水として取り出すことが可能です。
また、停電時も、貯湯タンク内にお湯が入っていればそのまま使える機種もメーカーによってはラインナップされています。
この時、事前に温度設定などをしていれば、その温度で使えるものもあります。
※断水時はシャワーや蛇口などからお湯を使えず、非常用取水栓などから汲み出す機種がほとんどです。
エコキュートを導入するデメリット
エコキュートを導入すると嬉しいメリットがたくさんありますが、実はデメリットもあります。
エコキュートの導入を検討しているなら、きちんとデメリットを把握しておくことも大切です。
デメリット①初期費用が高額
エコキュートを新たに設置する場合、基礎工事や電気工事、配管工事等が必要になるため初期費用が高額です。
毎月の光熱費を節約できますが、初期費用が高くなってしまうので、節約効果を実感するには少し時間が掛かるかもしれません。
それを踏まえた上でエコキュート導入を検討しましょう。
デメリット②お湯切れを起こす可能性がある
エコキュートのタンク容量が家族の人数と合っていない場合や、いつもよりお湯を多く使いすぎてしまうとお湯切れを起こしてしまう場合があります。
お湯切れを起こすと、タンク内のお湯が沸くまで待たなければいけません。
沸き増しをすることで、お湯切れを回避することができますが、電気代が高い日中に沸き増しをすると電気代が高くなってしまうので注意しましょう。
デメリット③夜間の運転音
エコキュートの運転音は、主にヒートポンプユニットの圧縮機及び送風機から発生しています。
騒音レベルは38dbで約40dbの図書館と同じ静けさですが、エコキュートは周りの音が静かな夜中に稼働するため、運転音が認識されやすい傾向があります。
寝室近い場所や隣家とのトラブルを避けるため、エコキュートの設置場所の選定には注意が必要です。
デメリット④飲用ができない
エコキュートのタンク内のお湯は飲用できません。飲用する場合は、一度やかんなどで煮沸する必要があります。
日立の水道直圧給湯タイプなら、タンクのお湯の熱を利用してプレート式給湯熱交換器で水道水を瞬間的にお湯にするため、そのまま飲用することができます。
※長期間の使用により、タンク内に水アカがたまったり、配管材料の劣化で水質が変わることがあるので注意しましょう。
デメリット⑤設置スペースが必要
エコキュートは貯湯タンクとヒートポンプユニットの2つで構成されているため、広い設置スペースが必要です。
しかし、狭いスペースでも設置しやすい薄型タイプやコンパクトタイプも販売されているので、設置スペースが狭いからとエコキュートを諦めていたご家庭でも設置できる可能性があります。
設置スペースは狭いからと諦めずにチェックしてみましょう!
まとめ
エコキュートの仕組みと導入のメリットについてご紹介いたしました。
エコキュートは大気中の熱を利用して湯沸かしを行うため、エコノミーでエコロジー。しかも、電気プランによってはさらにご家庭の光熱費を低く抑えることが可能です。
なお、文中でもご紹介したように、日中の追加の湯沸かしが必要な場合もありますが、これは、購入時に貯湯タンクの容量を適切なものにお選びいただくことで解消することができます。
また、当店マルタケでは三菱電機,パナソニック,日立,ダイキンそして東芝と、幅広いメーカーのエコキュートを取り揃えております。
購入時には各ご家庭に合ったものをお選びいただきたいと思います。
選択に迷ったら、お気軽にご相談くださいませ!