※この記事は、2023年8月に更新されました。
給湯機器のエコキュートと電気温水器は、どちらも電気を使ってお湯を沸かす機械ですが、基本的な仕組みが大きく異なります。
皆さんはご存じでしょうか。
そこで今回は、エコキュートと電気温水器それぞれの特徴と仕組みについてご紹介します。
何が違うの?
エコキュートと電気温水器にどんな違いがあるのでしょうか。
比較してみましょう。
外観
電気温水器
電気温水器の貯湯タンクは、角型と丸形の2タイプがあります。
エコキュート
エコキュートは、角型と薄型の2タイプがあります。
貯湯タンクと別で、エアコンの室外機に似たヒートポンプがあります。
電気温水器と比べると、ヒートポンプ用のスペースが必要となります。
お湯を沸かす仕組み
電気温水器
電気料金の安い、夜間の時間帯に電気でお湯を沸かします。
タンク内に設置したヒーターでお湯を温め、貯湯しておく給湯システムです。
※ご契約の電力契約によって、時間帯は異なります。
ヒーターは、タンク内の上層と下層に組み込まれており、役割が異なります。
タンク内のお湯を温めるときには、下層部のヒーターを使用し昼間お湯が不足してきた際は、上層部のヒーターでお湯を沸き足します。
貯湯タンク内は、常に満水状態となっており、温度の違いがあります。上部は60~90度の熱いお湯となっています。さらに、混合層の下部は、水が3層になっています。
タンクの下から給水された、冷たい水は、下層部のヒーターで温められ、上まで移動します。
これはお湯が冷たい水より軽く、上部に移動する特性を活かしています。
温水の温度差が、20度以上になると、比重の差により、お湯と水の中間層が出来ます。
電気温水器の供給口は上部にあるので、お湯を使用する際は、上部の熱いお湯が出ます。
中間層が仕切りの役割をしているため、お湯と水が混ざることはありません。
使用した分のお湯が足される仕組みとなっています。
エコキュート
目には見えない、大気中の熱エネルギーをヒートポンプに取り込み、「自然冷媒(Co2)」で圧縮することで高圧化し、その熱を水に伝えてお湯を作る、自然エネルギーを利用した給湯器です。
電気料金の安い夜間の時間帯に電気でお湯を沸かして、貯湯タンクにお湯を貯めます。
ヒートポンプは、大気中の熱をくみ上げるために電気のエネルギーを使います。
汲み上げた熱をヒートポンプ内で圧縮してさらに高温化し、貯湯タンクからの水を水熱交換器で温めてお湯を沸かします。
効率
電気温水器
貯湯タンク内が電気ポットのような仕組みになっており、電気を利用してヒーターを温めます。
水が貯蔵されているタンク内で、その熱エネルギーを利用して温水を作ります。
電気温水器は、熱エネルギーのみを利用しているため、空気エネルギーも利用するエコキュートに比べると、効率の面では劣っていると言えるでしょう。
エコキュート
ヒートポンプユニットを利用して空気を取り込み、コンプレッサーの働きで空気を圧縮。
空気の熱エネルギーと、わずかな電気でお湯を作ります。
エコキュートでは電気でお湯を沸かすため、給湯するためではなく、熱を移動させるためにも使われています。
エコキュートで使われる電気エネルギーと、生み出される熱エネルギーを比べると、熱エネルギーは電気エネルギーの約3倍以上です。
そのため、エコキュートは効率の良い省エネ給湯機器と言われています。
電気代
電気温水器
1か月:約3,000~5,000円
年間:約36,000~60,000円
エコキュート
1か月:約1,000~1,500円
年間:約12,000~18,000円
一般的な家庭で電気代をご紹介しました。
金額を見ると分かるように、2,000~3,500円の差があり、年間にするとその差は歴然ですね。
※使用する機器などによって異なります。
設置スペース
電気温水器
角型や丸形の貯湯タンクで、お湯の湧き上げから貯湯まで行うシンプルな給湯設備です。
タンクのスペースがあれば、すっきりと設置できます。
エコキュート
貯湯タンクに加え、ヒートポンプユニットの設置が必要なため、電気温水器の約2倍のスペースが必要となります。
角型と薄型のラインナップがあり、設置スペースが狭い場合は、薄型タイプを選択することで設置できる場合があります。
騒音
電気温水器
稼働する際に、機械を動かす必要がないため音がしません。
火を使わない電気温水器は、燃焼音がないうえ、ガス給湯器と比べると、排ガスのニオイもないのでとても快適にお使いいただけます。
エコキュート
ヒートポンプを稼働させて、空気と熱エネルギーを使いお湯を作るため、エアコンの室外機から運転する音が発生します。
発する音の大きさは、40dBと言われており、図書館と同等の騒音と言われています。
しかし、騒音トラブルになったケースもあるため、ご近所さんや設置場所に配慮して設置する必要があります。
(参考に、エアコンの室外機の音が、50~60dBと言われています。)
マルタケの交換費用
電気温水器
マルタケでは、26,1~39,7万で電気温水器の交換を行っています。
エコキュート
マルタケでは、33~53万でエコキュートの交換を行っています。
※価格は、2021年6月現在の価格です。
設置状況により、オプション費用がかかる可能性があります。
エコキュートは電気温水器に比べると、初期費用がかかりますが、ランニングコストを抑えることができます。
家族構成やライフスタイルによって、電気温水器の方がお得になるケースもありますので、専門業者に相談してみましょう。
<安心セット価格>
商品代と標準取り付け工事費、残材処分費、消費税などの諸経費すべてが含まれているマルタケの価格のことです。
大型の住宅設備機器の場合、処分費用も高額になる場合がありますが、セット価格でマルタケが責任もって処分させていただきます。
※設置先の状況によっては、オプションの工事が必要となります。
オプション工事が必要な場合は、必ず工事前にお見積りし、御相談させていただいております。
詳細は下記URLよりご確認ください。
詳細はこちら⇒安心セット価格
耐用年数
電気温水器
耐用年数は約15~18年です。長期間お使いの方は、20年以上で交換されるケースもあり、長寿命です。
エコキュート
耐用年数は約10~15年です。
電気温水器とエコキュートは耐用年数が異なり、電気温水器はエコキュートの2倍の期間、使用できる機器があることも事実です。
これまで、電気温水器とエコキュートの違いについてご紹介してきました。
比較の内容を、下記の表にまとめてみました。
いろんな視点で見てみましょう
火を使わずに電気でお湯を沸かすエコキュートと電気温水器ですが、環境への影響や今後の経済性といった点では違いがあるのでしょうか。
環境への影響は?
電気温水器
電気温水器は、電熱ヒーターでお湯を作るため電気ポットと似ています。エコキュートに比べると、熱エネルギーを100%使用するため、省エネとは言えないかもしれません。
エコキュート
エコキュートは、大気中の熱を使ってヒートポンプでお湯を作ります。
使用する電気は、主にお湯を作るためのサイクルを回す動力として使用しています。
電気温水器に比べ、エコキュートは、消費電力そのものが少ないため、CO2削減に貢献できると言えるでしょう。
経済性で考えるとどうなの?
エコキュートと電気温水器は、どちらも深夜電力を使用してお湯を沸かす仕組みです。
割安な深夜電力でお湯を沸かし、貯湯タンクにお湯をためておく共通点があります。
しかし消費電力が少ないエコキュートの方が、断然オトクです。
ランニングコストが電気温水器に比べて低いため、経済的にも優れています。
オススメはどっち?
電気温水器は購入価格を抑えられますが、電気代が高くなります。
貯湯タンクのみですが、室内に設置する場合は狭く感じる可能性があります。
電気温水器は、ヒーターでお湯を沸かすため効率がエコキュートに比べて悪く、特に水温が下がりお湯の使用量が増える冬の電気代は高額になりがちです。
一方でエコキュートは、初期費用が高いですが、電気代を安く抑えることができます。
また設置にスペースが必要なため、設置場所を考慮して選ぶ必要があります。電気温水器とは違い、貯湯タンクの他にヒートポンプユニットの設置が必要となります。
エコキュートと電気温水器の購入で迷ったら、購入価格や電気代、設置場所などを考慮して選ぶと良いでしょう。
家庭で使うエネルギーの約1/3を占めている給湯。
このエネルギーを削減できれば、その効果は絶大です。環境を考えても、家計を考えても、今選ぶべきは、エコキュートかもしれません。
人気機種について
初期費用は、エコキュートに比べて電気温水器の方がお値打ちですが、今後のランニングコストを考えると、エコキュートの方がお値打ちということが分かりました。
ここでは、人気の電気温水器とエコキュートについてご紹介します。
<電気温水器>
三菱電機 フルオートタイプ SRT-J37WD5
ダブル追い炊き機能搭載。
マイルド追い炊きと、急速追い炊きの追い炊きモードをシーンに合わせて選べます。
マイルド追いだき:入浴しながら温度を上げたい時に、一定の速さで優しく追い炊き。
お年寄りや、お子さまへの思いやりモードです。
急速追いだき:最大能力で追いだきして、一気に設定した湯温へ。
時間が無くてすぐ入浴したい時に大助かりです。
※マルタケでは、三菱電機の他にもパナソニック・コロナ・長府製作所の電気温水器を扱っています。
三菱電機 標準圧力型 SRG-466G
給湯専用タイプの460Lです。配管内蔵だから、洗練されたフォルムとなっています。
流行の住宅外壁と合う、モダングレーを採用しています。
<エコキュート>
ダイキン フルオートタイプ EQ46XFV
パワフル高圧で、320kpaの水圧があります。
さらに、自動風呂配管洗浄機能が搭載。おふろの栓を抜くと、ふろ配管内に残った水を自動で注水して洗い流します。
日立 フルオートタイプ BHP-F37WU
業界初のウレタンクを採用。
ステンレス・クリーン自動洗浄システムで、腐食・汚れに強く、配管内を清潔に保ちます。
センサーによる検知・学習機能などで効率的な制御を行います。
ふろ配管自動洗浄が搭載されており、追いだき配管などを自動洗浄します。
三菱電機 フルオートタイプ SRT-S376
人気のSシリーズは、充実したハイグレードシリーズです。
ホットりたーん機能で残り湯の熱を回収し、翌日の給湯に効率よく活かします。
マイクロバブルの力でふろ配管内の汚れを効率よく自動洗浄をします。
まとめ
今回は、エコキュートと電気温水器の特徴と仕組みについてご紹介しました。
それぞれでできることやメリットが異なるため、ご家庭にふさわしい給湯機器を決める際の参考になれば幸いです。
電気代が安くなる、省エネであるなどのメリットを考えれば、エコキュートの導入はオススメです。
エコキュートの初期費用は、ガス給湯器や電気温水器と比べると、導入時の費用が高いと感じるかもしれませんが、他の製品と比べても、エコキュートは省エネ性、環境性能にも優れていますので、長期的に使用することを考えたらオトクです。
エコキュートや電気温水器の交換で分からないことがありましたら、マルタケにご相談ください。